2012年12月31日月曜日

クワヘリ2012

今年を振り返りますと、まず去年より20%も多い人数がケニアに遊びに来てくれて、私はそのお手伝いをしました。ブログの方は情報発信の頻度にムラがありましたがだいたい毎月700から900のビューがもらえるようになりました。
来年の抱負は、大統領選挙次第でどうにでもなるので、あえて空欄にしておきましょうか。人智の及ばない、5年ごとにやってくる天災みたいなものなんで、ケニアの選挙は。
みなさん、良いお年をお迎えください。ケニアに来たことない方には初ケニアの年になりますように。リピの方には初ヒョウ目撃の年になりますように願っております。

2012年12月29日土曜日

牛カモシカ

ここのヌーは、ケニアに住む私の目には珍しいブラックヌーという種類でした。南アの一部だけにいて、体色もそうですが角の形がケニアのそれとは全然異なります。また別のコーナーにいたペンギンはケープペンギンでやはり南アとオランダのつながりを想起させるものでした。昨年南アに遊びに行ったときに地名や動物名がみなオランダ語由来だったことをふと思い出し、かつて大国であった彼の国の影響力を垣間見たのでした。

2012年12月27日木曜日

サファリINアムス

どの動物園でもライオンはスター選手。どこの出身かは示されていませんでしたがオランダと関係の深い南アかもしれないです。飼育舎のインテリアは草原というよりは岩場をイメージしたものでした。





お次はケニアから参戦?細い縞が美しいグレービーシマウマ。草原をイメージした広い場所でヌーと一緒に飼育されていました。

2012年12月26日水曜日

ネーデルランド王国

日本からの帰り道、オランダで降りて数日を過ごしました。冬のヨーロッパは寒いけどクリスマスの雰囲気が楽しめていいもんでした。左はスキポール空港の入り口にあった電飾ツリー。
で、鉄人の義務として動物園もチェックしてきました。アムステルダムの動物園はヨーロッパ最古だとか。17世紀の船乗りが世界のあちこちから珍獣を連れてきたんでしょうね。写真は動物園の窓にデザインされたリカオン。いいとこ突いてきます。

2012年12月25日火曜日

オークラ、翔ぶ

そういえば今回の帰国時もKLMを利用しました。乗っている時間は長すぎるんですが、乗務員が親切だったりミールがうまかったりでなぜか好きなエアラインです。
アムステルダム郊外にはホテルオークラがありまして、司馬遼も泊まっていましたが、成田線の機内食のランチはそこが監修したトンカツでした。ドレッシングは柚子わさび味。うまかったな~。

2012年12月24日月曜日

アジアの獅子

上野にいるライオンは地球上で最も珍しい亜種のアジアライオンでした。ケニアのサバンナで見られるそれとは遺伝的にも形質上にも大きな差異が認められます。
例えば尻尾の先端の房が黒くてでかいし、お腹に沿って皮がたるんでいます。最初私は肥満個体かと思いました。
アジアライオンはかつてはペルシャ、インド全域にいたのですが現在はインドにある小さい国立公園で保護されている数十頭しかいないそうです。ちなみに一般に現生ライオンは8亜種に分けられるとされていて、そのうちエジプトと南アにいた2亜種はすでに人間によって絶滅させられたそうです。

2012年12月23日日曜日

達磨鷲

園内を歩きつつ知った顔(ケニアで)を探していると。。出ました、ダルマワシ。
マサイマラなど草原でたまに見かけます。英名はバテリアイーグル。同じ名前のキャンプが西マサイマラにありますね。名の由来は仏語の「曲芸師」です。尾がとても短くて両翼が長いので綱渡りの人が長い棒を支えてロープの上でバランスを取っている様子に例えられたみたいです。和名はどこから来たのでしょう。顔色だけに注目したんでしょうからフランス語のほうがセンスあります。

2012年12月22日土曜日

東京サファリウォーク

先週の土曜になりますが、雨にも関わらず集まってくれた6名でスタートしたアーバンサファリ。それぞれの得意分野から語られる動物論を肴にしてほうぼう歩き回り楽しい時間となりました。

私個人としてはパンダの可愛さにノックダウンされました。アフリカ全体の動物をみな集めてもパンダ一頭に対抗できないかな、とちょっと弱気になった次第です。カリスマって努力じゃなくて生まれもっての才能なんだよね。

2012年12月9日日曜日

サファリIN上野

日本へ一時帰国中の鉄人です。
急な告知になりますが、来る土曜の13時から上野動物園にてオフ会を企画しました。参加資格はアフリカ好き、ケニア好き、動物好き、サファリ好きな方々とその友達です。
参加できそうな方がいらっしゃいましたら私宛に一度ご連絡ください。

2012年12月5日水曜日

50000本

NG誌の10月号を買いました。昨年(ほぼ象牙目的で)殺されたゾウは世界で2万5千頭を超えるそうです。象牙で換算すれば5万本。まあショッキングですよね。

2012年11月20日火曜日

あ”つ”い

アフリカに暮らす猿のうちで特に草原に進出して繁栄している(ように人間に見える)のはバブーンです。学名を「犬みたいな顔」というラテン語にした学者はきっと日本のことわざについては無知だったのでしょう。
アフリカの動物にしては珍しく完全な昼行性で、夜は崖か樹上に避難して休みます。雑食性で水分も食べ物から取れるので必ずしも水を毎日探す責務は負ってないそうです。ただ暑い日中は餌探しは中断してこんな風に日陰で休憩することもあるそうです。

2012年11月19日月曜日

横浜のケニア人

またケニア人アスリートの名が日本の紙面を飾ったようですね。

最近ではナイロビで開催されるマラソン大会も増えてきました。規模が一番大きいのは10月に行われるもの。日本のムパタサファリクラブが関わる大会は毎年5月にあります。一般参加する在住日本人も結構います。酸素が薄いのでトレーニング無しでは臨めませんが。

2012年11月16日金曜日

象より団子

もう私なんかアバーデアよりツァボのほうが断然好きですね。藪が深くてサファリはつまらない可能性もありますが、旅の最初のほうにもってくればごまかせますし、水飲み場に一日いればかなりの動物が見られます。ゲームドライブで必死になって騒音立てて路面を傷めて二酸化炭素を排出するよりよっぽどエコかなぁって思ったりします。もう4時くらいからジントニック飲んじゃったり、7時にサファリから戻ってきた宿泊客に「さっきまでヒョウがいたのにいいところ見逃したね」とか言ってみたり。

2012年11月15日木曜日

マウェンジ峰

セレナの宿泊棟はレストランや水のみ場を中心にすると、全て左のほうへ伸びています。6時頃起きてベランダに出るとまずこんな景色を目にします。贅沢ですね。

アンボセリから見るのと比べると方角の関係でしょうか、側峰(といっても立派に5,000m級ですが)のマウェンジピークが左にしゃしゃり出ていてあまり美しくはありません。山肌に映る色合いが時刻とともに変化していく様を堪能しながら、ナイロビとは異なる蒸し暑く湿った朝の外気を思い切り吸い込んでみたのでした。

2012年11月14日水曜日

夜のセレナ池

この日の夕刻ドライブは目立った成果もなく(あちらで日々懸命に生きてらっしゃる方々には大変失礼な物言いですが)、暗くなりかけた頃ロッジに戻るとレストランの前の水のみ場にゾウさんがいるわいるわ。左前方にうっすらと見えるキリマンジャロの山陰と相まってそりゃあ興奮しますよね。

2012年11月11日日曜日

80日天下

インパラではハーレムの雄(勝者)が得られる適応度(雌と次の子孫の数)が絶大なので、いったんボスの地位を得ても日々の争いですぐに疲弊するそうです。ある研究によるとボスの地位に上ってからは平均80日後には他の雄との喧嘩に負けて引き摺り下ろされるらしいです。負けた元王者はいったん雄だけの群れに退却しては体力をつけ、再び群れを奪う戦いを挑むそうです。
あの鋭い湾曲した角の切っ先は喧嘩の際には使わず、だいたい頭突きかおしくらマンジュウか、頭を振って横殴りにするそうです。その防御のためなのか、成人した雄の首筋は太く固く発達して攻撃に対する盾の役割まで果たすらしいです。

この人生のどこが「草食系」なんでしょうか?日本では変なキーワードが検証されることなしに流行ることがありますね。

ブンバ②

ブタの仲間は進化の道筋からいいますと深い森に暮らしていた動物が起源だそうです。なのにこのイボイノシシだけがいろんな努力の結果、開けた草原へ進出できました。

走るときにぴょこんと自動的に立つ尻尾は、草深い環境においても後続の仲間、あるいは子供達から見つけやすいはず。逃げる際に速度も持久力も他の動物に比べて極端に劣るイボ達は、周囲にいくつもの逃げ込む穴を確保しておいて緊急時には飛び込んで避難します。間に合わなかったら即ソーセージ化しちゃいます。

2012年11月10日土曜日

ぱらっと

どんどん行きましょう。お次は若いインパラ。

アンテロープの仲間には一応入っていますがどれにも似ていない孤高の存在。地面の草から木々の葉っぱまで何でも食べます。水は毎日飲む必要はないようですがこの日は池に姿を現しました。角はオスだけが持ちますが、生後8ヶ月くらいで群れから追い出されるようなので、この個体もきっとそういう状況なのだろうと推察しました。

2012年11月9日金曜日

ブンバ♪

そうこうするうちにイボちゃんもやってきました。彼らは完全な昼行性らしく、日没後は巣穴で寝ているそうです。水も毎日飲まないといけないそうですから昼間の居ながらサファリにはぴったりの役者となります。劇団四季とディズニーだけでも忙しいはずなのにセレナのレストラン前にも顔を出すまめな彼らをほめてあげてください。
ちなみにケニア人ドライバーからはソーセージとか(ライオンに食われるから)信じられない馬鹿とか(捕食者から逃げる途中で立ち止まって物思いにふけるらしい)ひどい扱いを受けていることをここに報告いたします。

2012年11月8日木曜日

水生アンテロープ

名前のとおり水の近くにいないと生きられないのがウォーターバックです。この日はシマウマの後から子連れで水場にやってきました。昼、夜どっちも元気なのでサファリ中に見かけやすい動物です。

姿が最も鹿に似ているのはこいつらだと私は思います。角はオスだけが持ちます。暮らしの単位は他のアンテロープと同じで一頭の雄と複数の雌からなる小グループです。母親は出産時は群れからひとり離れ、赤ちゃんを藪の中に数週間も隠し続けるそうです。

2012年11月7日水曜日

池端のシマウマ

まずやって来たのはシマウマの群れ。彼らは基本的には毎日水を飲みたい生き物ですからケニアとタンザニアの間をあんな苦労して移動するのです。
体重はヌーと同じくらいで250kgは超えません。五感の中では視力に最も頼っている点、さらに日中に活動的になる点でちょっと他の動物とは違っていますね。
雌雄の区別は外からは分かりにくいです。群れの単位はいわゆるハーレム。一頭の雄とそれに従う複数の雌、その子馬達によって構成されます。夫婦の絆はかなり強く10年以上も続くこともあるそうです。ハーレムから追い出された若い雄たちは男だけのグループを作る点はインパラと一緒です。

2012年11月6日火曜日

セレナ池

セレナロッジは西ツァボにもあります。ロッジ自体の歴史は60年代にまでさかのぼりますので、当然ながら一番いい場所に当時建設したのでしょう、今でも眺めと立地が素晴らしいです。レストランの横はどーんと開けており、昼夜問わずいろんな種類の動物が水を飲みに来る姿を居ながらにして観察、撮影できます。

2012年11月5日月曜日

ツァボといへば②

一泊二日で訪れてもまあまあの確率で見られるのは、その赤い土に染まった「赤ゾウ」。泥浴びしただけなんですが。

それよりもドライバーさんがしきりに言うのは、ツァボのゾウはマサイマラより凶暴化しているって点です。長いこと密猟が放置され、寿命が60年もあったらそりゃあ家族や親戚のひどい最期を何度か目にしているでしょうから、人間に対する恨みなど当然かもしれません。ツァボに行ったなら悪い人ばかりじゃないんだよ~と彼らの耳元でささやいてあげてください。

2012年11月4日日曜日

ツァボといへば

先週ツァボ(ヴォが正しい)に遊びに行ってきました。
景色は「全体として乾燥、植生はまばらで見通しの効くエリア多し、ところにより新緑が眼にまぶしいでしょう」という感じでした。これから雨が多くなるとますます草木が生い茂り動物を見つけるのが大変になるでしょう。

ツァボに来ないと見られないもののひとつはこの赤い地面。また迫力のある山並みや溶岩トンネルなど地形的にも独特の面白さがあります。

2012年11月3日土曜日

雨のナイロビ

昨夜は一晩中、雨が降ったりやんだりしていたナイロビ。雨季に入ったような感じがします。

マサイマラでも数日前に雨が降ったそうです。少し変なのはタンザニアとの国境あたりにかなりの数のヌーがうろうろしているそうです。タンザニアでの降雨が遅れている場合は移動も遅れ気味になりますので。
ホテル代の安い11月を狙って旅行を計画した人たちは予想外のヌーの大群のお出迎えを受けるかもしれません。

2012年10月31日水曜日

霧のような疑念

今月の最後はやっぱり山頂からの眺めで締めたいと思います。ここまで来ると植生も少なく地衣類ばかりになります。

エチオピア最高峰であるラス・ダッシェンは通常4,620mと表されますが、科学的な方法で調べると実際は4533m程度に落ち着くらしいです。私の携帯したGPSは4,530mを表示しました。
しかしそれが事実だとするとアフリカ第四峰の地位をタンザニアのメルー山に奪われてしまうので、アフリカ一誇りの高い民族にはたぶん受け入れられないはず。ここはひとつ大人の対応が必要とされる山なのです。

2012年10月24日水曜日

増えてるホテル

国連やNGOが値段を吊り上げているナイロビのホテルですが、このところ建設計画が続けて発表になりました。値下げにつながって欲しいものです。

すでに建設が始まっているのはあのケンピンスキー。タンザニアに3軒持っていたのですが最近全て売却したので東アフリカに興味ないのかと思っていました。市内と繁華街の間にあるので眺めや庭は無さそうですが敷地内は豪華にまとめてくるでしょう。
ラディソンは建設予定地に看板だけ立っています。クラウンプラザのあるアッパーヒル地区です。アコーホテルも計画があるそうです。ドバイを本拠にするアドレスホテルもナイロビとマサイマラにホテルを建てたいそうです。投資家は大統領選挙後も政府が転覆することはないと考えている表れだと思います。

2012年10月23日火曜日

いやはや超人だ


エチオピア人は登山中のランチにも手を抜きません。
この日は山頂を目指す日で朝の4時出発でした。コックさんは簡単な朝食で我々を送り出した後、日の出前にも関わらず圧力釜でスパゲティを作り、それをアシスタントが釜ごと担いで山頂まで運んできてくれました。おかげで温かい食事と美しい風景を同時に楽しむことができたのです。
下山開始後、空になった釜をかつぐ彼の姿は泳ぐように先を行き、結局我々よりも何時間も前にキャンプに帰着していたのです。

2012年10月22日月曜日

全部のせ中盛り

首都から数百キロ離れた、登山ルート上で最後となる町にあった食堂でも同様の料理が食べられる点においてエチオピア文化はすごいと感じました。この地域ではテフという穀物が育たないそうで、そのせいでインジェラに含まれる酸味が弱かったのが僕らの口にも合った理由でしょう。写真はミックスプレートというメニューで、お皿の上にインジェラを敷いて、その上に各種の料理をちょっとずつぶっかけて、手でインジェラをちぎっては具といっしょに口に運びます。

2012年10月21日日曜日

味の店、エチオピア

豊かな歴史を持つエチオピアが食文化においても周辺諸国を置き去りにしているのは当然です。
口にした人々の心に残り、拡散し、受け継がれていく味というものは、私が思うにルイ16世や始皇帝が命じて作らせたようなトップダウン方式か、または江戸時代のような成熟した市民社会が生み出す寿司のようなロングセラー商品のどちらかなので。

日本の主食が炊きたてご飯ならば、エチオピアではこのぞうきんみたいな見かけのインジェラです。雑穀を発酵させてプツプツ穴が開いた生地をクレープみたいに焼き上げます。主菜は牛、野菜、鶏肉などを煮込んだり焼いたり、まさかの生でユッケ風にしたり、工夫とバリエーションが見られます。写真はヒヨコ豆のペーストをひき肉と煮込んだシロという料理です。

2012年10月19日金曜日

首ったけエンジェル

古都ゴンダールの教会の屋根には褐色の肌を持つ首だけで飛び回るという天使の画がいっぱいに描かれています。300年の長きに渡ってその美しさは失われていないとか。

登山中に出会った子供達は、胴体こそありますが、お顔は天使にそっくりでした。特に白く輝くおでこと頬が忠実に再現されていることに気づくはずです。羊にヘッドロックはほどほどにしてあげてほしいけども。

2012年10月18日木曜日

サイの国

エチオピアをちょっと離れて南アに飛びます。
サイの密猟のペースが昨年よりも早いそうで、すでに455頭が密猟者によって殺され、この数はすでに昨年の総計をうわまるそうです。妊娠期間が16ヶ月ですし性成熟も遅いのでこの損失をカバーするにはどのくらいの年月が必要になるのでしょうか。

2012年10月16日火曜日

チェネック村

登頂も終えてあとは車で山を脱出するだけになった日の朝、散歩に出ると子供達がままごとをしていました。
ペットボトルを赤ちゃんに見立てて背負ってみたり、そこらの草をちぎって空き缶に入れてご飯にしてみたり。早朝にはお姉ちゃんなのか、20リットルくらいのタンクに水を汲んで運んでいた姿を見かけたので、お手伝いの後の遊びの時間だったみたいです。

2012年10月15日月曜日

隣の晩ごはん

2日目のキャンプ場の手前の村。カメラが好きな子とそうでない子がいるのは当然ですね。

この地域に足を伸ばす目的を登山だけに設定してあるならいろんな意味でキャンピングがベストアンサーです。一方で同時に地元民との交流も視野に入れるなら途中の何泊かを民家におじゃまして寝床(文字通り冷たい床もありうる)や夕飯をシェアすることも可能だそうです。きっと忘れ難い一晩になるでしょう。ダニと南京虫との交流が必ずおまけでついてくる点で私は今回は遠慮しました。

2012年10月14日日曜日

スマイル0円

おおげさな装備で私があるいた登山ルートは、地元の人にとっては単なる生活道路に過ぎません。山頂アタックの日でさえ、日曜だったので、山の向こうの市場に買出しにいくという人々にどんどん追い抜かされていました。

ルート上では頻繁に道端やカーブの向こうに物売りの少年が突然現れます。我々の姿を尾根の向こうに見つけ、土産物を手にして待ち構えていたのでしょう。品物はこういう小さい箱から毛糸の帽子、牛の角で作ったショットグラスなど。接客?態度も控えめで遠くの村から来た、などと聞かされるとつい財布に手がのびるのです。

2012年10月13日土曜日

オラが村

まあ急峻な谷が限りなく続く山の中に1週間いたわけですが、エチオピアの山のすごいところはそのどこにでも人家があるって点です。

展望の開けたポイントで休憩して景色にひたっていても、絶対民家やトタン屋根が目に入ります。世界と隔絶しているような丘のてっぺんにも家と畑があったりします。マサイマラの人家と違って嫌な感じは決して受けません。

農業と放牧に適した豊かな土地が最初にあって、そこにずっと前からヒトが住みつき生活を営み、20世紀に北米から輸入された国立公園という概念を借りたまではいいが居住者は追い出さなかった政府の優しさ。そういったものがごちゃまぜになって私の眼前に提示されただけだったのですから。

2012年10月12日金曜日

ひとつ屋根の下

エチオピアの中央部から北部にかけては3,000メートル級の山々が連なっていて、このあたりを「アフリカの屋根」とも呼ぶこともあります。大陸のちょうど中央の位置にもあたるし、植民地になったこともなく気位も高い国民性なので、アフリカをまとめるというイメージにも合致するのは単なる偶然でしょうか。
明確な身体的特徴を共有する(肌が黒っぽい)10億人余がひとつ屋根の下で仲良く暮らすことを理想とするのがAU(アフリカ連合)ならば、あんちゃん役は誰だろう。カダフィ大佐が最も近づいたけど殺されちゃったし。ウガンダ大統領も結構いい線いける。長女役はたまに発言が暴走するジンバブエがいいでしょう。ケニアは個性に欠ける、というのが私の意見です。

2012年10月11日木曜日

きまぐれサンセット



2連泊したギーチキャンプ(海抜3600m)の夕暮れも印象的でした。

ここに来るまでにひねってしまった右足を椅子の上に放り出してページを繰るオランダ人、そして彼の泊まる山小屋。

夕焼けと濃霧が一時にやってきた2日目のキャンプ場の空には羊をねぐらへと追う子供らの声がしばらく響くのでした。

2012年10月10日水曜日

エチオ的サンセット

エチオピアにいたのはたった10日間でしたが、夕焼けをじっくり見る機会が随分あったように思います。空気が澄んでいるしケニアよりは高緯度だから光線が斜めに入ってくる感じも好ましかったし、なにより自分の体調と周囲の自然との両方に耳を傾ける毎日だったので神経もいつもより研ぎ澄まされたんでしょう。
登山2日目のキャンプ場、青黒い空と羊飼い。あるいは最終日のキャンプ場。山小屋のスタッフと彼らの子供達の背を照らす最後の夕陽。どちらも忘れがたい色味です。

2012年10月9日火曜日

カナリア軍団

登山中にはかなりの数の小鳥を見かけました。こちらもその中の一羽でエチオピアの固有種だそうです。

今回は自分としては初めてなのですが、300mmのレンズとボディ(キャノン製、合計重量約2キロ)を登山中にずっとたすきがけして運びました。鳥を撮るには望遠としては不足なのですがこれ以上重いと嫌だなぁと正直思う半面、今回の同行者はもっと重いオリンパスをしかも2台携行しての登山だったのですごい人だなあと後ろ姿を見ながら思ったのでした。

2012年10月8日月曜日

狼(の餌)

お次はぐっと小さくなってネズミ様。登山4日目のキャンプサイト以降にずいぶん見かけるようになりました。地中に掘ったトンネルの中で暮らしているようでした。大きさはハムスターより一回り大きいくらい。

本音はこのネズミを主食にしているエチオピアオオカミを見たかったのですが残存個体数は50頭以下と聞いていたし、やっぱり見かけることはありませんでした。数年後には地球上からいなくなっているかもしれないこのイヌ科の動物を救うには観光化と政府主導による住民の教育しかないと私は思うのですが。

2012年10月7日日曜日

ハシブト市長

この巨大カラスはエチオピアとエリトリアの1200m以上の高地にしかいない点が希少です。いつもペアでキャンプ場の周りをうろうろしている点、愛らしいのですが鳴き声がひどすぎます。うがい中か二日酔いのおじさんみたいなのです。ガラッガラッって。
英名を直訳するとクチバシの太いカラスですが、日本にはちゃんとハシブトカラスという鳥がいるので、和名をなんて付けようか考え中であります。

2012年10月6日土曜日

羊が食事

この翼長2mを超えるハゲワシの仲間を見たいのなら2500m以上の山に登らないといけません。努力しなきゃ成功はない、と繰り返した中学の担任の言葉を初めて実感しました。

ラマーガイアー、独語で子羊を食う鷲の意、は英名ではヒゲハゲワシという情けない形容になりますが、飛翔中の姿は正に空の皇帝。しかも動物の大腿骨などを上空から落として砕き、中の骨髄や骨そのものも食べるという賢さも合わせ持ちます。
幸い登山中の私の頭の上に骨は降ってきませんでしたので今こうしてパソコンの前に向かうことができているわけです。

2012年10月5日金曜日

非暴力猿

登山中は何度もこのライオンのようなタテガミを持つゲラダ・ヒヒに会いました。

体は寒冷地に住むからでしょうか、ケニアの親戚よりも大きく、胸の赤い模様(地肌)が特徴的です。5センチ以上の立派な牙を持つ割に食性は完全に草食です。

撮影は容易ではありませんでした。というのも自然環境は生き物の性格まで規定するのでしょうか、エチオピア人と同じでこの猿もとってもシャイ。カメラを構えつつ近づくと逃げることはせずにくるっと背をこちらに向けてうつむいてしまうのです。人間に背を向け無防備な状態なのに悠々と地面の草を食む後ろ姿に私はこの国の懐の深さを覚えずにはいられませんでした。

笑ってる場合です

このゲラダヒヒですが、似たような猿の仲間よりも社会構造が複雑だそうです。声(言葉?)のバリエーションが27種類もあるとか。

お互いの上下関係を確認するため、日々の毛づくろいが欠かせないのはもちろん、時折写真のように「笑う」こともあるそうです。実際は笑うというよりは歯ぐきをむき出しにして牙を一瞬見せつける行動なのですが、これでお互いのコミュニケーションを図っているそうです。

日本では出っ歯ですとイジメの対象になりえますが、エチオピアに来るとパラダイム転換により人気者になれる可能性大です。