2016年3月31日木曜日

ケニア人ライオンを襲う

エイプリルフールだったら良かったのに、という悲しい事件が起きました。
 
ナイロビ国立公園の南西に位置する地方都市Isinyaに雄ライオンが一頭出現して、400人くらいの地元民がよってたかって石や弓矢で襲い、最後はいつものように遅れて到着した公園管理官が弱ったライオンの体にG3ライフルの銃弾を9発打ち込んで絶命させたのです。なぜ殺す必要があったのかを当局は説明せずに終わらせるつもりのようです。ウェブ上でも悲惨な光景が出回っていますが私は見る気が起きません。日本から40万円も払って彼らの元気な姿を見に来る人が毎年数千人もいる事実をケニア国民全員に分からせるまで何年かかるのでしょうか。

2016年3月30日水曜日

ライオンマーキング③

イエネコなら前肢でやりますが、ライオンはおしっこした近辺を後ろ足で引っかきます。掘り起こされた地面は長い間ライバルや仲間へ向けたメッセージとして残りますし、足にこすりつけた臭いは移動中もしばらく残るのでテリトリーの広さを示す情報としてもライオン様の間で利用されているようです。うわっ、汚いって決して思わないでくださいね。

2016年3月29日火曜日

ライオンマーキング②

ターゲットを選んだ後は後ろ向きになってからそこをめがけて尿を噴射します。犬のように片足を上げたりはしません。適度な高さがメッセージの受け取り手に対して必要みたいで、ンゴロンゴロではサファリカーの後部に取り付けられたスペアタイヤにひっかけた場面を見た事があります。

2016年3月28日月曜日

ライオンのマーキング

あってはいけないことですが、先日柵があるはずのナイロビ国立公園の北側から雄ライオンが脱走して通行人に怪我をさせたそうです。
 
体重が180キロを超えるという点以外はイエネコと姿形は似通っているアフリカライオンですが、マーキングはかなり激しくやります。特に雄が頻繁に行うようで、儀式の最初はここと決めた場所の匂いをかぎつつ頭をこすりつけることから始めます。ちょうど写真みたいな感じで。

ウサギと卵

ここケニャではイースターを本気で祝います。

この四日間のフェスティヴシーズンではウサギがフィーチャーされますが、実際にはサヴァンナで彼らを見かけるチャンスは稀です。夜行性で日中は穴に隠れているからで、恐竜に怯えていた先祖を持つ我々哺乳類としては至って普通のライフスタイルですから咎めることは無益です。

ナイトサファリをやらせてくれるライキピア、エレメンタイタ、やマニャラ湖などでは彼らに出会えます。カンガルーのように後肢で跳ねる仲間もいます。

2016年3月26日土曜日

ケニアのモトカノ

王位継承権第二位のウィリアム王子が家族を放ってケニアに来ているそうです。イースター中に昔つき合っていたとされる女性の結婚式が北部のレワ私営保護区で行われるみたいなんです。
 
レワはいろいろ問題の多いケニア政府から距離を置いた自然保護を自力で進めているライキピア・グループの中でも中心メンバーであり、またケニア山に併合する形で世界遺産にも登録されています。宿は少なく高級路線しかなく、毎日私財を投じてもいいから保護活動に参加したいと考える人々がアメリカやイギリスから泊まりに来ています。

2016年3月23日水曜日

タンザニアでシマウマ死ぬ

日本で一頭のシマウマが命を落としたんですか?BBCのトップニュースにしばらく露出されていた理由は単に笑えるニュースとして扱われたなのか、あるいは日本での動物の扱い方の稚拙さを指摘したかったからなのかは不明です。
 
タンザニアの草原では複数のシマウマが毎日死んでいます。私が目撃したケースは1月29日に子馬が雌ライオンによって仕留められたものでした。いつもは騒がしい欧米人の観光客もこのときばかりは複雑な表情を示していました。

好きベルギー

危機が去った暁にはぜひベルギーに遊びに行ってください。
 
私も絶対にもう一度、月曜日を避けて行こうと思っています。レオポルド時代にコンゴから運び出した民芸品の数々が郊外にあるアフリカ博物館に所蔵されているらしいのですが、前回行ったら休館日でした。すごい仮面とか剥製とかがあるはずなのです。余談ですが両親がケニア人のオリジ選手はベルギー代表でプレーすることを当然選び、毎週末はリバプールで活躍しています。

2016年3月22日火曜日

R.I.P.

イースター休暇を迎えるヨーロッパでまたテロが起きました。30余名の我々と同じく何の罪も無い人々のご冥福を祈るばかりです。
 
ブリュッセルの空港は閉鎖中ですが、ケニアには就航していなかったのでサファリツアーを諦める人は少ないと思われます。ルワンダでのゴリラツアーを予定していた人はいるかもしれません。中世ヨーロッパの発展を支えた都市に一日も早く平穏が訪れることをケニアから願っています。

2016年3月21日月曜日

水牛フレーメン

アフリカスイギュウのフレーメンも見たことあります。知識が無かったら「鼻づまりでも起こしてんのかな」と思ってスルーしてしまうところです。
 
酪農家の親元で育たない限り一般的な日本人は知らないであろう事実、ウシは下あごの前歯しか無いってこともこの写真から予備知識があったならば読み取れます。上あごには固くなった歯ぐきしかありませんが下の歯と「噛み」合わせて草本から葉っぱまで器用に食べるそうです。600キロを超える体重を猛獣に囲まれながら維持するバッファローに高機能のスペックが数多く備わっていたとしても当然なのです。

2016年3月19日土曜日

ドメ猫のフレーメン

猫派であることを隠さない私ですが、20年以上イエネコと密に接して来たにも関わらずフレーメンは見たことないですね。家族になったとたん(またはなる前に)避妊化してしまうからそういう対象への反応が薄まってしまうのでしょうか。ちなみにウェブ検索すれば呆け顔、変顔の愛猫写真がいくらでも見つかるようです。

2016年3月16日水曜日

フレーメン

気になる匂いを感じとった時、多くの動物は口を半開きにして上あごの裏に備わるセンサーを外気にさらすことで感度アップを図ります。フレーメンと呼ばれるこの行動はヒトと海獣類以外では普通に見られるそうです。我々はいつからこれを止めたのでしょうね。

2016年3月14日月曜日

変顔と呼ばないで

こちらも今年ンドゥトゥを訪れた時に撮れました。拡大すると分かりやすいですが所謂「変顔」に間違いありません。
 
しかし彼らとしては大真面目でして、たぶん鼻孔に集まるハエ共を可動範囲の大きい唇を動かして追い払った直後なのか、あるいは発情期を迎える雌の匂いを感じ取るためにフレーメン反応を見せただけなのかもしれません。リラックスしたシマウマを観察できた際には時間がいくらあっても足りませんよ。

2016年3月8日火曜日

擬人化NG

豊かな表情を見せてくれるシマウマだからこそガイドは安易に擬人化した説明に走るべきではないと思います。左の写真にキャプションを入れたくなるのはむしろ広告代理店か編集人でしょう。
 
せっかく日本から22時間もかけて来たのであれば眼前に繰り広げられるイベントの全てを全身の神経を研ぎ澄ませて感じ取ってください。樹から下りたばかりの裸のサルが進化的にかけ離れた他のグループの動物が何十万年と繰り返してきた振る舞いについて物知り顔で説明を加えることなんて到底できないんです。

A.目が一番いいです

耳も鼻も利きますがシマウマが最も頼っているのは視覚のようです。
 
目がいい故に個体間のコミュニケーション手段のひとつに顔の表情を採用できたのでしょうし、目がいい故に世界を驚かせ続けているあの模様を獲得したのでしょう。洞窟に住んでいるコウモリがあんなカラーをまとう必要ないですから。
 
私が勧めるシマウマ観察のベストな場所は1月のンドゥトゥですね。大平原に大群が集まっているので天敵に気を払う時間が少なくなってかつ餌も豊富で、本来の彼らのリラックスした姿を観察者の前に見せてくれるからです。

2016年3月7日月曜日

Q.シマウマの目はいいですか?

ダーウィン先生の言葉を借りるまでもなく、生き物の振る舞いは先祖の辿ってきた道をなぞるほかありません。
 
奇蹄目に属するロバ、シマウマの仲間はアフリカの平原でレイヨウ類に比したらとんでもなく少数派で、その暮らしぶりも多数派を占める牛達とは異なります。ひとつには目がいいことがあります。もしランクルの助手席に座っているときにタイトルのような質問を受けた際にはそっから始めない限りは私の軽い語り口も手伝って決して信じてもらえないですね~。

2016年3月6日日曜日

ヌーはじめました

一月の終わりにンゴロンゴロとセレンゲティの中間に泊まって来ました。
 
そこはンドゥトゥと呼ばれるエリアで、まさに杭一本で2つの世界遺産が隔てられている点で世界的にも珍しいです。訪れる際には両方に公園費を払っておかないと自由に行き来できませんので注意が必要です。私が訪れた時はまさにヌーの大移動が南部へ向けて始まったばかりで、大群と衝突しそうになりました。