2014年11月24日月曜日

ココナッツとカレー風味

なんか続けてモンバサと北部国境のマンデラ郡でテロや暴動が起きて大勢亡くなったみたいですね。
 
どちらの都市も随分前から外務省によって「検討」か「延期」しろって名指しされているエリアですから、危険情報をご金言とあがめる日本の旅行代理店にとっては対岸の火事どころか「火星の土砂崩れ」くらいなもんでしょう。
 
最近笑えたのは国立農業大学で学生が暴動を起こして焼討ちや略奪を行ったのですが、授業再開の条件として学校側が出したのは「ひとりあたり6000円の罰金」でした。学生からの反応は「高すぎる」。えっ、値段なの?って突っ込んでしまいました。国が変わるといろいろですね。

2014年11月23日日曜日

ハザベ⑦

彼らが数千年の長きに渡って狩場としていた土地を後にした私はマニャラへ戻る途中に赤タマネギを満載したトラックと何度もすれ違いました。後で聞くと周辺がどんどん畑地として開かれているそうです。大昔にはいなかったクシ語系のイラキ族やニロティック系のダトガ族が牛とヤギを連れて流入している問題もあります。
 
彼らの伝統ライフと狩りにおける特殊能力は大田区の工員が持つそれと同じなのかもしれませんが、前者は5年か10年でこの世から消え去る危険をはらんでいます。ナイロビでぬくぬくと暮らす私ができることと言ったら彼らに関するドラマを世間に広め、会いたいという人が現われたら現場へ連れて行ってあげて、当人が何かを感じ取る舞台を用意してあげる、それだけなので悲しい限りです。

2014年11月22日土曜日

ハザベ族⑥

適当な木陰を見つけて車座になった後、ハンター達はささっと持参した道具で火を起こしてリスを料理しはじめました。
 
毛はあぶって取り除き、頭は「待て」の姿勢でじっとしていたイヌにプレゼント。少年達の間では獲物は平等に分けるルールがあるようでした。私も少しおすそ分けをもらいました。赤くて味の濃い肉でした。しばらくしてエボラが頭をかすめましたが原因はコウモリとされているし、リスとコウモリは生息環境を異にするから問題ないと納得しました。

また羽ばたかず

2年に一度って頻繁すぎるとの批判もあるサッカーのアフリカ選手権ですが、イーグルスとの愛称を持つナイジェリアが予選落ちしました。競り負けた相手はコンゴ。ここではちょっとした驚きを持って受け止められています。最多優勝を誇るエジプト(愛称ファラオ)も落ちました。
 
エボラの震源地の中からはギニアが本大会へ進みます。大会のホストはモロッコだったのですがエボラを恐れて開催を事実上辞退し、予選も途中で失格となりました。毎回最後、最後と称されるコートディヴォアールの黄金世代に今回こそ優勝して欲しいと思います。

2014年11月17日月曜日

ケニアdeまさし

さだまさしさん原作の小説が映画化されるそうで、現在ケニア各地で撮影が行われています。日曜日にはスケジュールの合間を縫って日本人学校の体育館で無料コンサートまで開いていただきました。
 
数十年前にケニアに飛び込んだ実在の人物についての曲が小説、映画のベースになっているそうで、さださんが当人と出会ってからずっと温めてあった想いを87年にやっと曲として発表し、その後で俳優の大沢たかおさんから小説化を頼まれて5年後にやっと書き上げ、数日前に初めてナイロビに降り立つまでにはそういう長いストーリーが背景にあったそうです。公演からも熱い気持ちがこちらに伝わってきました。
 
映画は来年春の公開を目指しているそうです。コンサート中に何度も触れていた「ケニアと日本の距離を縮める」きっかけにその映画がなれば私も嬉しいです。

2014年11月16日日曜日

ハザベ族⑤

目的の藪を取り囲んだ彼らは包囲網をせばめながら最後はリスのわき腹に矢を打ち込みました。使用した矢は先端より数センチ下にとうもろこしの軸がはめ込んであり、小さい動物の体を射抜かないような工夫がしてありました。
 
獲物は無造作に腰のベルトに突っ込んで、さっさと次の獲物を探し始めた姿には美しささえ感じました。この後は樹上のスズメより小さいハチドリを一羽仕留めてから終了となりました。

2014年11月15日土曜日

大地の子

もうとげとげのアカシアの林の中とか砂地とか風のように歩いて行くので、狩りの瞬間を見ようと思ったらこちらも同じペースでの移動が要求されるんですがほとんど無理です。
 
一番背の高い少年はバブーンの毛皮を背中にかけていました。動物を混乱させる効果があるそうです。しばらくしてリスを目にしましたが藪の中へ姿を消しました。私はてっきり諦めて彼らは次の獲物を探すのだろうとばかり思っていたんですが。。

2014年11月14日金曜日

ハンティング宿

集落を後にしてガイドさんの案内で別の場所に移動すると若い少年4、5人が張った一時的なキャンプに着きました。動物に合わせてハンターも転々と移っていくそうです。
 
焚き火の周囲で休憩中らしいところにガイドさんが交渉して、日も高い10時だというのに狩りのデモンストレーションをしてもらうことになりました。こうなると私なんか言葉も通じず、本来の生活リズムをぶち壊す時間に現われて無理言って、もう恐縮するばかりです。ごめんねって心の中で謝りました。そうして4人の若者は犬2頭を引き連れて出発し、私はスニーカーの紐を締めなおして彼らの後をついて行く準備をしたのです。

2014年11月13日木曜日

ギフトはじめました

女性のグループから少し離れたところに男性達が集まって道具の手入れをしていました。
 
彼らにとって狩りの道具は命の次に大事なものでしょうから、矢の一本を見ても真っ直ぐなのは当たり前で、ホロホロ鳥の羽で飾りがつけてあったりコテできれいな模様を押してあったりしました。このコーナーはギフトショップの性格も持つらしく、言葉は通じませんが何とかして鳥打ち用の矢を一本購入できました。

2014年11月9日日曜日

せ、責任とってください

今旅行会社に電話かメールでケニアの問い合わせをすると「取り扱いを中止しております」という言葉の後、コンサル力に自信がある場合は「手配旅行としての出発」を勧められるかもしれません。
 
それは旅行者本人が主体の旅で、旅行会社は「代理と取次ぎ業務だけを善良な管理者としての立場から行う」そうですから、現地で何があっても保証をする必要はない、と本に書いてあります。
 
そんな制約ばかりの手配旅行を誰が日本で申し込むでしょうか?だったらインターネットで現地のサファリ会社にコンタクトを取る人がいたとしても批判はできませんね。現地に着くまで安心できないって点では両者とも同じレベルですから。

スーパーフリー

また日本でエボラ騒ぎがあったようですね。発症者が入国するのは時間の問題でしょうから発覚後の丁寧な対応と一般市民への啓蒙が大事だと思いますけどね。政府が当地にお金を出すそうですね。南アのニュース番組で3秒ほど触れていました。
 
ケニアとタンザニアではまだ発見されていません。直行便を中止したことと、ほぼ人権侵害ですがあちらの国籍の人を入国拒否しているので日本より厳格かもしれません。自己申告でしか発見できないのは日ケに差はないですから。
 
今日本を見ていて悲しいのは、正しい情報を判断してからそれでもケニアへライオンを見に行きたいと強い気持ちで望む人がいたとしても、旅行会社のほとんどがウェブサイトもパンフレットからも削除しているので渡航手段が見つからないことです。旅行者の選択権を奪っている点においてそれらの会社は風評被害に加担していると思いますね。

2014年11月8日土曜日

森の後見人

ハッザ人の暮らすエリアはタランギレよりもバオバブが多く生えています。その一本を住居にしているというので見に行くと最近掘ったような穴があり、首長の寝床だと説明されました。
 
バオバブの実は年中利用可能で、栄養素がミルクの2倍、オレンジの6倍と本に書いてあります。タランギレでは増えすぎたゾウがバオバブに穴を開けたりかじったりしますが、ここでは天の恵みですから切り倒すこともなく千年以上も大切にされてきたのです。バオバブの森を見たいならばエヤシ湖に来るべきです。周囲で見られる人間活動の増加によってサイもゾウもライオンも消え去った土地なので、車から降りてバオバブを囲んで集合写真が撮れますから。

2014年11月6日木曜日

びっくり語

私がこの村で耳を澄ましていたもうひとつの理由は彼らの言語の特殊性です。
 
言語学によると世界の言語のほとんどは吐き出す息によって音を発するそうですが、ハザベ語は吸込み音と舌打ち音とクリック音が多用される点でボツワナのコイサンマンと共通するそうです。偶然の一致だったらすごくないですか?アルファベットにない音なので例えばウサギは「!onga」、山芋は「//ekwa」と研究者の間では表記するそうです。ガイドに促されてやってみたけどもちろんできませんでした。
 
つのだひろの☆マークはたぶんハザベ語とは関係ないです。

祝スマフォ対応

ところで、iPhoneユーザーの皆様にはご不便をかけていた「サファリのすすめ」のほうですが、ついにスマホでも記事が読みやすいようなデザインに変更して再出発できました。過去の記事の移植が終わっていないソフトオープンではありますが、タンザニアのセルーについての視察レポートを新規アップしております。ブログと合わせてご覧ください。

2014年11月5日水曜日

ショック③

コーディネーターを乗せて車で出発、樹齢100年を越すバオバブの並木を通り抜けたあたりに集落がありました。
 
近づいていくと女性と子供が地べたに座っているのを目にしました。男性の姿が見えないのは理由があって、彼らの仕事道具である毒矢に子供を近づけないためだそうです。ケニアのマサイみたいに歓迎もしてくれないところがリアルです。
 
静かな村。たまに老婆がバオバブの実を石で叩き割り、貯蔵も練ることもせずそのまま口に運ぶ様子をこちらもじっと見守ります。

カルチャーショック②

我々がエヤシ湖の東岸に着いたのは10時を過ぎていました。数千年の間この辺りの荒野で過ごして来たとされる、狩猟採集を生活基盤にしている人々に出会うのが今回のテーマでした。彼らは自分達をハッザ(単数形)またはハザベ族(複数)と呼んでいます。資料によると彼らのライフスタイルは現在世界中に散らばってスマホをいじっている人々が大昔にやっていたけどとっくに忘れてしまった日常そのものだそうで、その点で学術的にも貴重だそうです。
 
ハッザ人は朝晩の涼しい時間に狩りに出かけるそうですから、彼ら本来のリズムを尊重するならエヤシ湖近辺の宿に泊まり、朝は6時頃から集落に押しかけるといいです。8棟しかないデラックスなテントキャンプが一軒あります。

2014年11月2日日曜日

驚異のCTP

次に紹介したいのはアクセスの良さはマニャラに次いで2番目くらいですが体験できる内容はショック度NO1のCTPです。
 
コーヒー畑に囲まれたカラトゥに前夜は宿を取り、翌朝は暗いうちにエヤシ湖へ向けて出発します。全行程が未舗装ですが乗合いバス(なんと英国製ランドローバー使用)の定期ルートでもあるのでそれほど揺れません。2時間ほどで我々と現地の人々をつないでくれるコーディネーターの詰所に到着します。飛び込みもいけそうですが事前アポを入れておいたほうが確実でしょう。

2014年11月1日土曜日

判定シロ

先日リベリアを出発したケニア人はベルギー経由でした。現在、例の西アフリカ3か国とケニアを結ぶ直行便は運休中だからです。
 
夜の11時に着いてからすぐ強制的に血液を採取され、市内の検査機関で陰性であることが確認できたので5時間後に開放されました。徹底度は怪しいですがもちろん今後21日間は見張っておくそうです。
 
ナイロビには国際的な検査設備があるので今回のようなスピード判定が可能になっています。びびるのは東アフリカの他国には同様の設備がないので被疑者が出た場合はカンパラやダルエスサラームから血液をナイロビに運んで結果を待つことになるそうです。