2015年12月31日木曜日

あけおめケニア

2015年は観光を通じた南北問題の解消と自然保護を目指す私にとっては最悪の年でした。
 
エボラ、ISなどの外部要因によって来訪者が激減し、保護区の収入が減ったことで首になった元公園管理官が密猟者に転向してサイやゾウを殺戮する側に回ったりした例がいくつも見つかりました。来年は保護区に暮らす動物達、そしてそれらを最前線で守るレンジャー、係員にとってベターな年になることを祈らずにはいられません。シロサイの北部亜種であるノーザーンライノは地球上にわずか3頭しかおらず、全ての個体は24時間の管理下でスイートウォーターズにて死に絶えるまでその余生を過ごすことになっています。
 
※写真は帰国中に訪れた東京の下町の夕暮れシーンです。

エボラ終わりました

新年を前に西アフリカの3ヶ国全てでエボラの終息が確認されたようです。今後も稀なケースとして出てくる可能性は残っているそうですがコントロールできる状況下にあるそうです。
 
思えば2年前に現場では騒がれ始め、昨年の夏あたりに日本でも取り上げられて大韓航空はケニア線を取りやめるまでに至り、アフリカ全体の観光が落ち込む最大要因となりました。結局のところケニアがある東アフリカどころかアフリカの中央部にさえ感染は広がらなかったことになります。でも今後も人間がジャングルを切り開いていく限りは新しい病気との遭遇は続くでしょうから情報の受け手としての我々の落ち着いた態度が求められていくでしょう。

2015年12月29日火曜日

申年INケニア山

森に暮らすという点では正統派のサルなのですが親指が退化していて、さらには完全な草食という人生を選んでしまった点でコロブスモンキーの仲間は異彩を放っています。
 
餌がないためにサバンナでは見られず、林が発達したナイヴァシャ、マニャラ湖、ケニア山などで出会えるでしょう。牛のように複数の胃を持っていてそのなかにセルロースを消化するバクテリアを飼っているので腹部はビール樽のように膨らんでいます。消化ステップにエネルギーを使うのか、樹上の動きは緩慢で写真には収めづらいです。赤ちゃんは真っ白の体にピンクの顔というカワユイ色の組み合わせで生まれます。

申年INチョベ

イエローよりも更に南部に生息域を持つのがチャクマヒヒです。バブーンの仲間に共通しますがサバンナに暮らす動物のうちでは珍しく活動時間が日中にピークを迎えるので我々のようなサファリ旅行者が見つけやすい(そして写真を撮りやすい)動物のひとつに数えられます。他ではイボイノシシも昼間に活発になるのでやはり出会いやすいと言えます。

申年INツァヴォ

ケニアで出会えるバブーンには地域変異があり、アンボセリやこのツァヴォで見かけるのは毛色が黄味がかっていてスレンダーなイエローバブーンと呼ばれる仲間です。
 
研究者によってもっと体の大きいオリーブバブーンと別種にしたり亜種として扱ったりしているようですが、このイエローバブーンが分類上の基本になることは変わらないでしょう。学名が「犬の顔」を意味するラテン語に由来するらしく、そういう話を聞いてしまったが最後、彼らの顔が犬にしか見えてこなくなるのが不思議です。

2015年12月25日金曜日

申INアフリカ②

元来サルはジャングルを寝床かつ食堂として利用してきた動物なのですが(現存する種数の多さより明らか)、勇気を持って(?)森から平原に進出したおかげで今の繁栄を享受しているのがバブーンです。
 
地球の乾燥化と人間による開墾というトレンドに乗っかって生息地をどんどん広げてきた彼らは今ではサファリ中に最も高頻度で出会えるサルとなりました。増長しすぎてホテルの朝食を盗むまでになった彼らと警備員として雇われているマサイの男達との間で繰り広げられる仁義なき戦いがケニアのオルトカイロッジやレイクナクルロッジでは毎日のように見られます。

2015年12月24日木曜日

申年INアフリカ

アフリカはユーラシア大陸と並んで50種以上のサルの仲間を抱えるそうですから来年の干支についてコメントする資格があるかなと思います。
 
エチオピアの高地、特に豹がやって来ないような崖に暮らすゲラダヒヒは首都からのアクセスが簡単とは言えないものの一度会ったら忘れられない存在になります。お尻を地面につけて地面の葉っぱを手でつかんで口に運ぶのが基本の食事作法なので、コミュニケーションをその他の忙しくない器官、つまり顔の表情に頼っています。なので年賀状などにもってこいの擬人的な表情が豊富に撮れるのです。

2015年12月18日金曜日

毒殺事件

ソーシャルの一部で様々な強度の憤りを引き起こしているマサイマラでの雌ライオン毒殺事件。ガバナーズキャンプの近くの湿地をテリトリーにしている「マーシュ・プライド」はBBCによるドキュメンタリー番組内で十数年に渡ってその動向が伝えられてきただけにライオン界のセレブとも言えます。その構成員だった雌が恐らくマサイ族の報復により殺害された、騒ぎの背景にそういう事情があるのです。
 
マサイマラと北で接する私営保護区のマラ・ノース・コンサーバンシーくらいまで遠出をする群れなので、ガバナーズやマラエクスプローラーだけでなくロイヤルマラやカレンブリクセンやエクスプロリアンズなどの高級キャンプに泊まったことがある方であれば今回亡くなったライオンに出会っていた可能性があります。悲しいのはもう二度とその姿を見ることはできないってことです。
 
*写真は2年前にリトルガバナーズに泊まったときに出会えた群れ

2015年12月17日木曜日

アメリカのベスト珈琲

アメリカの定評あるcoffeereview.comが発表した今年のコーヒー豆ベスト30の中にケニアが原産地のものが6つもランキングされています。ちなみにケニアを上回るのは7商品がエントリーしているエチオピアとパナマだけ。
サファリ後にナイロビのスーパーに立寄ると創業65年を誇る最大規模の卸業者ドーマンズの豆が入手できます。このドーマンズは事前にアレンジすれば日本で流行っているらしい工場見学もできます。

2015年12月16日水曜日

祝えモンキー

おととい14日は世界モンキーデイだったそうです。そうと知らずに過ごしてしまいました。
 
話題には上りにくいですがアフリカ諸国のうち最も多くのサルの種類数を抱える国は実はタンザニアだそうです。サファリ中に見かけるヒヒやサバンナモンキー、そしてチンパンジーだけでなく各地に残る森林地帯に固有のサルが結構残っているそうで、それが順位を押し上げているようです。モンキー見るならタンザニア!というキャッチフレーズが浮かびましたが京都大学は半世紀に渡って彼の国で研究を続けているのですから新鮮味ゼロであることにすぐに自分で気づきました。

2015年12月14日月曜日

ぜんぶ雨のせい

ナイロビに戻ってから三日連続で雨、それも激しく夜間に降るのでエルニーニョのパワーを実感しているところです。
 
ここケニアでは雨が降ると簡単に停電が起きます。変電所のショート、倒木によって切断される送電線。また水はけなど考えていない道路は交差点ごとにナクル湖のような水たまりができてエンストや事故を起こす車が急増します。慣例で事故現場から車を動かしたほうが負けを認めることになるので通行の邪魔になろうとも意地でもそこに居座るドライバー達は渋滞のひどさを加速させます。
 
明日からの国際会議も雨が原因で多くの混乱が予想されますが、全部エルニーニョのせいにして楽しく乗り切って欲しいものです。

2015年12月13日日曜日

ケニアに大臣

火曜からケニアで開かれるWTO総会に日本の経産相の大臣が出席するそうです。
 
ケニアは大規模な関税撤廃を発表するみたいです。林大臣には時間を作ってもらいせめて首都にあるナイロビ国立公園でサファリを体験してもらいたいなと思います。

2015年12月4日金曜日

今日は何の日

ナミビアに本拠を置く団体によると今日は世界チーターデイだそうです。
 
他の何物とも異なる点でこの動物を強烈に好む人も多いですね。何度かそういう方にケニアで会いました。
 
私見ですが高い確率で会えるのは2月のンゴロンゴロ、8月の南部マサイマラかと思います。出会えた時には豹とは異なって単に黒い点々の繰り返しでその毛皮が彩られている点に注目して欲しいです。あとは目から鼻にかけて下がっていく黒い筋の模様ですかね。

2015年12月1日火曜日

アニマルとシェア

広大なセレンゲティをカバーする道路網は十分とは言えませんが、その中でも中心にあたるのがセロネラ地区です。
  
そのど真ん中にそびえたつ岩山の間を縫うように建っているのがセロネラ・ワイルドライフ・ロッジです。一昨年にキッチンが焼けて未だに修繕中ですが再オープンした暁にはそこからの絶景がまた楽しめるようになるでしょう。敷地内に数多く住んでいたハイラックス達は今も元気でいることを祈ります。